とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
久しぶりに回って来た当直は睡魔との戦いだった。
油断するといつの間にか舟を漕いでいる状態で、その度に彼はペチペチと頬を叩く。
だが、そんな行為も何の効果もないらしい。
再び意識が飛びそうになった時、突然鳴り出した携帯にダンはハッと顔を上げた。
その拍子にデスクにあったマグカップを倒してしまい、書類がコーヒーまみれだ。
ダンは舌打ちをしながら乱暴に携帯の通話ボタンを押した。
『用件は!?』
苛立ちを露にした彼に電話の相手は『どうしたんだ?』と不思議そうな声を発した。
『クロウか…。すまない、ちょっとデスクがエライ事に…ったく、チクショウ!』
『…かけ直そうか?』
『いや、大丈夫だ。もう片付いた。あとはこのコーヒー臭をどうにかするだけだ。』
それを聞いた右京はおおよその予想が出来たのか、クスクスと笑っていた。
久しぶりに回って来た当直は睡魔との戦いだった。
油断するといつの間にか舟を漕いでいる状態で、その度に彼はペチペチと頬を叩く。
だが、そんな行為も何の効果もないらしい。
再び意識が飛びそうになった時、突然鳴り出した携帯にダンはハッと顔を上げた。
その拍子にデスクにあったマグカップを倒してしまい、書類がコーヒーまみれだ。
ダンは舌打ちをしながら乱暴に携帯の通話ボタンを押した。
『用件は!?』
苛立ちを露にした彼に電話の相手は『どうしたんだ?』と不思議そうな声を発した。
『クロウか…。すまない、ちょっとデスクがエライ事に…ったく、チクショウ!』
『…かけ直そうか?』
『いや、大丈夫だ。もう片付いた。あとはこのコーヒー臭をどうにかするだけだ。』
それを聞いた右京はおおよその予想が出来たのか、クスクスと笑っていた。