とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
『点数稼ぐなら普通殺人事件だろ!』
『あいにく犯人を追えるほど若くないんで。』
アンダーソンが口角を少し上げてそう言うと部長は『まだまだ若いよ』と肩を叩いて彼を励ました。
多少横柄な態度が目立つがアンダーソンは彼が嫌いではない。
『そりゃどうも!』
自分のデスクに戻るとファイルを開いた。
…ロバート·トーラス…銀行員か…。
配偶者は既に他界していたが恋人は居たらしい。
最近は病気で入院していた記録が残っていた。
捜索願いはイザベラ·マッケンジーという人物が出している…恋人だろうか。
とりあえずアンダーソンはイザベラに話を聞くため署を後にした。
外は昨日から降り続いた雨のせいで空気が湿っぽかった。