とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
『行くって、何処に行くんです?』
『捜査に決まってんだろ!?』
『だから、何処を捜査するんですか!?イザベラの叔母の家ならもう捜査済みですよ!?』
『バカ野郎!そんなの知ってるよ!そうじゃなくてロバートの所有してた土地を捜査しに行くんだ!』
『…なんで?』
鈍い部下に溜め息を吐くとアンダーソンは彼に背を向け歩き出す。
『ちょっ…なんでですかぁ!?』
『教えてくださいよ!』と叫びながら彼はアンダーソンを追う。
エレベーターを待ちながら彼はゆっくり口を開いた。
『何故わざわざ競売に掛けられた土地をイザベラは買い戻した?』
『さぁ…欲しかったから?』
『何故欲しかったんだ?理由があるはずだろ?』
『なるほど!』
二人はやっとやって来たエレベーターに乗り込んだ。