とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



『行くって、何処に行くんです?』



『捜査に決まってんだろ!?』



『だから、何処を捜査するんですか!?イザベラの叔母の家ならもう捜査済みですよ!?』



『バカ野郎!そんなの知ってるよ!そうじゃなくてロバートの所有してた土地を捜査しに行くんだ!』



『…なんで?』



鈍い部下に溜め息を吐くとアンダーソンは彼に背を向け歩き出す。



『ちょっ…なんでですかぁ!?』



『教えてくださいよ!』と叫びながら彼はアンダーソンを追う。



エレベーターを待ちながら彼はゆっくり口を開いた。



『何故わざわざ競売に掛けられた土地をイザベラは買い戻した?』



『さぁ…欲しかったから?』



『何故欲しかったんだ?理由があるはずだろ?』



『なるほど!』



二人はやっとやって来たエレベーターに乗り込んだ。



< 234 / 469 >

この作品をシェア

pagetop