とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
それでもたまに会っては情事を繰り返す。
自分も彼もその関係を終わりにしようとは言わないから、もう2年もこんな調子だ。
しのぶには恋人らしい恋人も居なかったから問題無かった。
田所に関しては本人から聞いた事がないので判らないが、しのぶは漠然と「自分と同じで恋人は居ないだろう」と考えていた。
…いや、そう考えないと関係が続けられないから、彼に恋人が居たとしても認めないのかもしれない。
…私は彼にある意味“依存”してるな…。
しのぶはタバコを揉み消すと、やっと立ち上がる。
「とりあえず、仕事でもするかぁ~!」
思考を無理矢理切り替えるように大きな独り言を溢すと、休憩室を後にしたのだった。