とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
留まる事なく続く攻防を『ま、待て待て!』と制すると、両手を挙げて考える。
『…ルネッサンスって15世紀位だよな?』
『そうさ!だから10世紀の逸品だなんて有り得ない!』
『いや…間違いなく10世紀…いってても11世紀だ。』
『それじゃあ、まるで…』
そこまで言って言葉に詰まったようにニックは黙り込んだ。
『って事は…“オーパーツ”か?』
何気なく右京が溢した呟きに一同が振り返る。
『…なんだよ…。間違ってないだろ!?』
確かに間違えてはいない…。
間違えていないだけに問題なのだ。
『…面白いね。オーパーツは地球外生命体の置き土産って見解もあるみたいじゃないか。』
茶化すように笑うアランにニックは口を尖らせた。