とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
鑑識の結果、人骨は男女2人のものと判明したがいまだ謎が残る。
『…おかしいよな~…両方とも死後数年は経過してるだなんて…。』
もちろんそれはロバートとイザベラの遺体だったが、報告書には“同時に埋められた”と記載されていたのだ。
頭を捻るダンに右京は『そうでもないさ』と言う。
『クロノスは時間を司る神だ。あの時ヤツはイザベラの願いを叶えてやったのさ。』
取り返しのつかない罪を犯してしまったと後悔していたイザベラ。
彼女の望みは根本的に変わっておらず、愛するロバートと一緒に居たい…ただそれだけだった。
歪んだ愛の形…。
それを悔いるのに時間がかかってしまっただけ…。
クロノスはあの時その時間を歪めたのだと右京は思う。