とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




鑑識の結果、人骨は男女2人のものと判明したがいまだ謎が残る。



『…おかしいよな~…両方とも死後数年は経過してるだなんて…。』



もちろんそれはロバートとイザベラの遺体だったが、報告書には“同時に埋められた”と記載されていたのだ。



頭を捻るダンに右京は『そうでもないさ』と言う。



『クロノスは時間を司る神だ。あの時ヤツはイザベラの願いを叶えてやったのさ。』



取り返しのつかない罪を犯してしまったと後悔していたイザベラ。



彼女の望みは根本的に変わっておらず、愛するロバートと一緒に居たい…ただそれだけだった。



歪んだ愛の形…。



それを悔いるのに時間がかかってしまっただけ…。



クロノスはあの時その時間を歪めたのだと右京は思う。



< 261 / 469 >

この作品をシェア

pagetop