とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
話に夢中の二人は、部屋の隅で寝ていたルークが何かを感じ取って頭を上げた事にも気付かない。
「普段感心なさそうなのに、夜になると誘ってくるのよ!」
「そんな気分じゃないのにその気にさせられたりね~」
「うんうん!で、事が済むと“良かったろ?”なんて!」
ゲラゲラと笑う二人は突然ガラッ!と開いた入口を同時に振り返った。
「あ…あれ…?」
「う、右京君!?」
居るはずのない右京の姿に忍の手にしたフォークからケーキの塊がボトリと落ちた。
「ほぉ…じゃあなにか?旦那とのセックスが嫌だと?」
「あ…いや、そういう意味じゃなくて…」
「女は勝手だよな~…ベッドで誘わなかったら“私には興味ないの!?”とか言うクセに…」
忍の隣にどかっと座ると右京は彼女からフォークを奪い取る。