とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
「寂しかった?」
「ん…寂しかった!」
「キスしたかった?」
「ん…したかった!」
「俺が恋しかった?」
「ん…右京が恋しかった!」
素直にそう言って自分に甘える忍を抱き寄せて耳元に顔を寄せた。
「俺も。死ぬほど忍が恋しかった!」
見詰め合う二人の足元でルークがニャーと鳴いた。
「お前にも会いたかったよ、ルーク…三番目にね。」
「なんでルークは三番目なの?」
「一番目は忍。二番目はお腹の子供。だからルークは三番目!」
そう言って笑う右京の背後で「あら、母さん達は?」と言う声が聞こえた。
「母さん達も三番目だよ。」
「ルークと同等って事!?」
わざとらしく怒る静に右京は「そうだよ」と答えると忍もクスクスと笑った。