とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
金髪少年の母親は純日本人という感じの女性だった。
ふと右京は素朴な疑問が浮かんだ。
…産まれて来る子供はどっち似なんだ?
真剣に悩み出した右京に忍は「どうしたの?」と首を傾げる。
「なぁ、忍…産まれて来る子供はどっち似だろう…」
「さぁ…男の子みたいだから、右京似じゃない?」
「そりゃまずいな…」
「何が?」
「よく考えてみろ!こんな銀髪で産まれたら虐められるだろ!」
「…あんた虐められたの?」
「いや、虐められた事はない。」
「じゃあ心配ないんじゃない?」
果たしてそうなのだろうか?
自分が虐げられなかったのは古武道のお陰だ。
「俺が有段者じゃなかったら絶対虐められてたと思うんだよ!」
「じゃあ、有段者に育てればいいんじゃない?」
あっけらかんと返答する忍に右京は「それだけ?」と聞き返した。