とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



本来今まで溜め込んでた有給休暇と産休を合わせても2週間が限界である。



クリスマス休暇まで1週間ほど足りなかったが、それを日本支社で補うのが条件だった。



「ふっふっふっ…一週間俺の下でコキ使ってやる!」



「マジか…」



公私混同するであろう京助の下でまた働くのかと考えるだけで気が重い。



それでも忍の傍に居れるなら安いものだろう。



「丁度明後日から展示場のイベントがあるんだ。」



「…まさかそれに行けと?」



「明日の搬入の手伝いだ。力仕事は得意だろ?」



「まぁ…頭使うより楽だけど…」



何か裏があるように思えたが、「良かったね」と嬉しそうに微笑む忍を見たら、それを口にする事が出来なかった。




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