とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




産婦人科で検診を終えた忍はバス停までたどり着くと、時刻表に目を向けた。



バスが来るまであと15分。



彼女は携帯を取り出すと着信履歴を見て思わず苦笑する。



病院だから電話には出れないと伝えたのに、右京から着信が何度もあったらしい。



「相変わらずなんだから…」



忍はベンチに腰を下ろすと彼に電話を掛けた。



2コールで出るなり彼は「検診終わった?」と心配そうな声が聞こえた。



「ん。今帰り。」



「ごめんな?一緒に行けなくて…。」



「大袈裟だよ~全然大丈夫!」



「で…どうだった?」



「何が?」と聞かなくても彼の言いたい事が判る。



忍は軽くお腹を擦りながら主治医の話を思い出した。



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