とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
予定日になってもまったく産まれる気配がなく、忍は母を眺めながらお茶を啜る。
母の静は先程大量のベビー服を買って帰ったばかりで、帰宅するや否やそれらを広げている。
その量は軽く店が開ける程だ。
「どーすんの、そんなにたくさん…」
「もちろん孫に着せるのよ!」
「…双子じゃないよ?」
「知ってるわよ。先生が勘違いしたんでしょ?見て見てこれ!かわいいでしょ~!?」
テンションの高い母に苦笑をしていると道場から右京が戻って来た。
「ちょっと、右京も何か言ってよ!」
「ん~?」
彼は喉を鳴らしてミネラルウォーターを飲む。
そしてふぅと息をついてから母を見て「ガレージセールでもすんの?」と笑った。
予定日になってもまったく産まれる気配がなく、忍は母を眺めながらお茶を啜る。
母の静は先程大量のベビー服を買って帰ったばかりで、帰宅するや否やそれらを広げている。
その量は軽く店が開ける程だ。
「どーすんの、そんなにたくさん…」
「もちろん孫に着せるのよ!」
「…双子じゃないよ?」
「知ってるわよ。先生が勘違いしたんでしょ?見て見てこれ!かわいいでしょ~!?」
テンションの高い母に苦笑をしていると道場から右京が戻って来た。
「ちょっと、右京も何か言ってよ!」
「ん~?」
彼は喉を鳴らしてミネラルウォーターを飲む。
そしてふぅと息をついてから母を見て「ガレージセールでもすんの?」と笑った。