とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
「いくらなんでも買いすぎだよ!…ねぇ?」
「まぁ確かにこの量は…おっ!これカワイイじゃん!」
「でしょ!?この帽子を被せて~…」
「いいじゃん!いいじゃん!」と右京まで静のペースだ。
忍は半ば呆れてため息を着いた。
足元ではルークも呆れたように背を向けて顔を洗っている。
「困った人達ね…お前もそう思うでしょ?」
忍の問いかけにルークはニャアと一声鳴いた。
それがまるで返事をしているように思えて思わずクスッと笑った。
…そういえば前にもこんな事があったな…
もしかしたら人間の言葉を理解しているのかもしれない。
忍はルークを抱き上げて膝の上に乗せるとよしよしと頭を撫でた。
「…おやつでも食べようか。」
ベビー服を広げている二人に何を言っても無駄だろう。
忍は重い身体をゆっくりと起こして立ち上がった・・・その時だった。
下腹部に微かな痛みを感じ一瞬動きが止まる。
だがすぐに痛みは消えた為、然程気にもしなかった。