とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
大きなグリーンアイをキョロキョロと動かし、時折「う~」と唸る。
「はぅ~…可愛い~!」
「パパとママのいいとこ取りね~!将来が楽しみだわ~!」
「名前は?」
「右京が“京”って書いて“ケイ”だって。」
「ケイ君か…。よろしくね、ケイ君!」
代わる代わる抱っこされるが、ケイは空気を読んだ様に愚図らなかった。
「セリも来年にはママか~…皆結婚しちゃって取り残されちゃうな~…」
そんなアイコのボヤキにクミが呆れたように睨んだ。
「アイコは理想が高過ぎるのよ!」
「なによ、クミだって彼氏居ないクセに!」
「私は仕事命だもの!結婚はまだするつもりないからいいんですぅ~!」
そう言って笑ったが、クミはまだ元カレである寛二の事が忘れられないのかもしれない。