とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



右京の話だと寛二はあの後直ぐに彼女と破局して今はフリーだとか。



…何とか仲を取り持てないかな…。



大人になった今ならきっと上手く行くような気がする。



…右京に相談してみよう。



帰って行く友人達を見送ってそう思った時、母子同室の終了を告げるチャイムが聞こえた。



「暫くお別れだよ~ケイ。」



少し寂しい気もするが、退院したらずっと一緒に居れるのだ。



今は我慢と言い聞かせ、新生児室へと連れて行く。



途中、隣の部屋の人と一緒になって喋りながら歩く。



「もしかして、銀髪のイケメンは黒崎さんの御主人?」



「あはは…イケメンかは別として銀髪なら多分うちのです。」



「毎日来てるわよね~!若いのに偉い偉い!うちのなんて、仕事だ飲み会だって言って初日だけよ?」



そう笑う彼女は気さくな感じの話しやすい人だった。




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