とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
「えっ…噂?」
病院食とは思えない食事に舌鼓を打っていた忍は、思わずそう聞き返す。
隣室の産婦、もとい佐々木ユリは箸を動かしながらコクコクと呟いた。
「私、隣町に住んでるんだけど、この辺りじゃ有名よ?」
それは隣町にある産婦人科の噂だった。
ユリの話だとそこの産婦人科で数年前に赤ん坊を取り違えたというのだ。
「ただの噂でしょ~?ネームバンドだって付けるだろうし、あり得ないんじゃない?」
「そうかな~…でも、火の無いところには煙は立たない気がしない?」
言われてみればそう言えなくもないが、昔ならまだしもこの時代に赤ん坊を取り違えたなんて信じがたかった。
「えっ…噂?」
病院食とは思えない食事に舌鼓を打っていた忍は、思わずそう聞き返す。
隣室の産婦、もとい佐々木ユリは箸を動かしながらコクコクと呟いた。
「私、隣町に住んでるんだけど、この辺りじゃ有名よ?」
それは隣町にある産婦人科の噂だった。
ユリの話だとそこの産婦人科で数年前に赤ん坊を取り違えたというのだ。
「ただの噂でしょ~?ネームバンドだって付けるだろうし、あり得ないんじゃない?」
「そうかな~…でも、火の無いところには煙は立たない気がしない?」
言われてみればそう言えなくもないが、昔ならまだしもこの時代に赤ん坊を取り違えたなんて信じがたかった。