とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




深夜、今日最後の授乳を終えて自分の個室に戻った忍は、ベットに寝ている右京に気付いて苦笑する。



「そんなに疲れてるなら来なくていいのに…」



面会の時間はとっくに過ぎている。



つまり彼はこっそり忍び込んだのだ。



忍は寝息を立ている右京の枕元に腰掛けると、彼の銀色に煌めく長い前髪を指ですくう。



ちょっと身を屈めて頬にキスを落とすと右京がゆっくり目を開けた。



「…夜這いか?俺、襲われちゃう?」



「ぷっ…夜這いは右京でしょ?…いつから居たの?」



「30分くらい前。…忍、ちゃんとキスして。」



艶っぽい少し掠れた低い声に逆らえない。



忍は右京を覗き込むように顔を近付けた。



「んっ…んんん!?…んんんんー!!」



軽く触れただけの唇は右京によってがっちり後頭部を抑えられ、窒息しそうだ。




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