とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



忍は堪えきれずに右京の腕をタップする。



彼の腕から解放され、忍はパタリとベットに突っ伏した。



右京は楽しげに笑いながら彼女を抱き締めた。



「…忍、いつ退院するの?」



「えっと…3日後かな?」



「そっか…」



その声が少し沈んでいる様な気がして「どうしたの?」と聞き返した。



「もしかして、お父さん達がまだかってうるさい?」



「まぁ、確かにうるさいけど、そうじゃなくて…俺が寂しい…。」



忍の黒髪をすきながら呟く右京に胸がキュンとなる。



“来なくていいのに”なんて思ってしまった事を密かに反省した。



ムクッと起き上がった右京は「さて…」と軽く伸びをした。


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