とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
ケイを覗き込んでガクは呟く。
「…目は忍ちゃん似で安心した…。」
「…どういう意味だ?」
「あ~ホントっすね!あんなきっつい目だったら末恐ろしい…ぐはっ!」
右京にヘッドロックされたジンヤは呻き声を漏らす。
忍はそんな外野を無視してガクに「抱っこしてみる?」とケイを差し出した。
「い、いいのか!?」
顔に似合わず子供好きらしいガクはケイを腕に抱くとニコニコと目尻を下げた。
「おい、右京!ケイは俺の事を父親だと思ってるぞ!」
「はぁ!?んな訳ねぇだろ!」
「だってこんなに大人しいじゃねぇか!」
「パパですよ~」と言いながらケイをあやすガク。
ムッとする右京を「まぁまぁ」と忍は宥めた。