とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
─カチ…カチ…カチ…
時計の秒針がやけに大きく聞こえる。
黒崎家の居間では、家族会議の真っ最中だった。
議題は他でもない、忍と右京の息子、ケイの事だ。
だが、誰一人として意見を述べる者はいない。
いや、この場合意見を述べる事が出来ないと言った方が正しいのかもしれない。
─カチ…カチ…カチ…
いささか秒針が気になり出した右京が時計をチラッと見た。
まだ3分程しか経っていない。
この重苦しい空気を打ち破る言葉を探すが、どれも妥当だとは思えなかった。
“大丈夫!”と言えば無責任だし、不安を口にすればこの空気は更に重くなるだろう。
普通の赤ん坊を育てるだけでも大変なのに、堕天使特有の漆黒の翼を持つ赤ん坊の育児など誰も経験がないのだ。
─カチ…カチ…カチ…
時計の秒針がやけに大きく聞こえる。
黒崎家の居間では、家族会議の真っ最中だった。
議題は他でもない、忍と右京の息子、ケイの事だ。
だが、誰一人として意見を述べる者はいない。
いや、この場合意見を述べる事が出来ないと言った方が正しいのかもしれない。
─カチ…カチ…カチ…
いささか秒針が気になり出した右京が時計をチラッと見た。
まだ3分程しか経っていない。
この重苦しい空気を打ち破る言葉を探すが、どれも妥当だとは思えなかった。
“大丈夫!”と言えば無責任だし、不安を口にすればこの空気は更に重くなるだろう。
普通の赤ん坊を育てるだけでも大変なのに、堕天使特有の漆黒の翼を持つ赤ん坊の育児など誰も経験がないのだ。