とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
潤が言ってる意味が理解出来ず、忍は眉を寄せる。
右京は品定めでもするようにルークを見詰めた。
「ねぇ、ちょっと!」と声を潜ませながら一同が身を乗り出す。
「まさか、ルークは猫じゃないの!?」
「見た目は猫だぞ!?」
「俺も前からおかしいとは思ってたんだ。」
「という事は“化け猫”か!?…確かに黒猫じゃが…」
「やだやだ、ルークが妖怪だなんて!」
「いや、妖怪じゃねぇだろ…」
好き勝手議論する右京達をルークが不機嫌そうな顔をして睨んでいる。
「ありゃ、“猫又”じゃろう…」
「猫又!?猫又ってあんな小さいの!?」
「やだわ~…今までお母さん猫だと思ってたから猫缶あげてたわよ!?」
「いいんじゃね?旨そうに食ってたし…」
既に論点はかなりズレている。