とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



潤はといえば、そんな黒崎家の奴等の反応を無視して急須にお湯を注ぐ。



「…じゃあ、その猫缶を食べる猫又に京司を任せるって言うのか!?許さん…!お父さん許さんぞっ!」



「いやいや、ケイだし。…まぁ意外と大丈夫じゃね?猫缶だけじゃなくて猫まんまも食うし…」



もうここまで来ると何の話をしていたのかさえ判らない。



「そうね、猫まんま食べるならわざわざ猫缶じゃなくても…」



そして我慢の限界に達したのは傍観していたルークだった。



ルークはちゃぶ台の上に飛び乗ると一同の前に仁王立ち─といっても四つ足だが─になった。



皆の視線がルークに集まる。



その傍らで潤がお茶の入った湯飲みを置く。



─…タマニハ…猫缶ガイイ…



ルークの呟きに潤は豪快にお茶をひっくり返したのだった。



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