とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




右京の有給休暇も残すところ数日になった夜。



スヤスヤと眠るケイの隣に寝そべってラップトップPCを叩いていた右京に、忍が突然ピタリと身を寄せた。



一瞬驚いた表情をした右京の頬に忍がチュッと可愛いキスをする。



「なに?…発情?」



クスッと笑ってそう言う右京に忍は「あのね…」と切り出した。



「明日買い物に行きたいの。」



「…それは一緒に?」



「一緒に行くと右京“まだ~?”ってうるさいじゃん。」



「なるほど…つまり今のキスはおねだりか。」



小さく息を吐いて右京はパタリとPCを閉じると体を忍に向けた。



「やり直しだな。」



「え~なんで~?」



「頬っぺにキスなんかで俺が満足すると思ってんの?」



わざとらしく片眉を上げてみせる右京に忍はプッと吹き出した。




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