とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
部屋の灯りが消え、暗闇に浮かび上がった忍のシルエットをチラッと見上げながら、右京は少し大袈裟にため息を溢した。
「…明日何処行くの?」
「駅前のデパート!初売りまだ間に合うかもしれないし。…駄目かな…?」
もちろん駄目なんて言うつもりはない。
普段育児で大変なのも知ってるし、たまには息抜きさせてやりたいとも思っている。
ただ、忍が傍にいない事が不安なのだ。
特に最近は神々の動きがまったく見られない…それが余計不自然な気がした。
…出来れば一緒に行きたいが…
自分やケイが居たら息抜きにならないのだろう。
右京はやや間を空けてから「いいよ」と呟くのだった。