とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
空はどんよりとした雲が覆い、今にも雨が降り出しそうだった。
加えてこの寒さだ。
もしかしたら雪になるかもしれない。
忍はブルッと身震いをして首に巻いたマフラーを口元まで引き上げた。
「ちゃっちゃと済ませて早く帰ろ…」
駅前の繁華街は至るところに“初売り”のポスターがあり、当初デパートに行く事が目的であった筈なのに気が付けばあちこち覗いていた。
お陰でデパートに辿り着いたのはお昼間近だ。
…急がないと!
そう考えてはいるものの、“福袋”の前でまたしても足を止める。
目を輝かせて幾つもの福袋を持っては置いてを繰り返す。
「…福袋って重い方が得なのかな…」
ブツブツと呟く忍は不意に聞こえた女性の叫ぶような声に顔を上げた。
空はどんよりとした雲が覆い、今にも雨が降り出しそうだった。
加えてこの寒さだ。
もしかしたら雪になるかもしれない。
忍はブルッと身震いをして首に巻いたマフラーを口元まで引き上げた。
「ちゃっちゃと済ませて早く帰ろ…」
駅前の繁華街は至るところに“初売り”のポスターがあり、当初デパートに行く事が目的であった筈なのに気が付けばあちこち覗いていた。
お陰でデパートに辿り着いたのはお昼間近だ。
…急がないと!
そう考えてはいるものの、“福袋”の前でまたしても足を止める。
目を輝かせて幾つもの福袋を持っては置いてを繰り返す。
「…福袋って重い方が得なのかな…」
ブツブツと呟く忍は不意に聞こえた女性の叫ぶような声に顔を上げた。