とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
考えてみれば、2才の小さな男の子がひとりで居たら逆に目立つはずだ。
きっとこの階にはいないのだろう。
忍は辺りを気にしつつもお目当てのブランドの店を見つけると、残り少なくなった福袋を手にレジへ向かう。
「右京とケイのも見てこうかな…」
足早に移動して階をあがる。
紳士服売り場を経由して子供服売場へ。
「わぁ…!!可愛い!!」
目に入ったのは小さなマネキンが着たワンピースだった。
ジッと見ているものだから店員に捕まり、バツの悪さを笑顔で誤魔化しそそくさとその場を離れる。
「ふぅ…なんだか疲れて来ちゃった…」
結局忍がケイの為に購入したのは、肌触りの良いクマのぬいぐるみだった。