とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




年末のあの忙しさとに反して、年始の店内は閑散としていた。



今日のAXELはDJも正月休暇らしい。



カウンターには店主であるガクだけで、他の従業員も居なかった。



右京は「あけおめ~」と呟きながらカウンターに座る。



「おう…なんだ、新年早々シケた面してんなぁ…」



「色々とね…俺、自信なくすわ…」



はぁ…とため息をついてテーブルに突っ伏す右京を見てガクは小さく吹き出した。



不貞腐れ気味に口を尖らせた右京の前にグラスビールを置くと、彼は「まぁまぁ」と宥める。



「仕方ねぇんじゃね?育児なんて初めてなんだろ?」



「んー…そうなんだけどさ…こう毎日ダメ出しされると流石に凹むよ…」



珍しく情けない表情をした右京をガクはクククと笑った。



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