とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
…銀色の髪…この人が噂の…?
「あのね、具合が良くないみたいで…」
「えっ!?どこか痛い!?吐きそう!?」
「あ…いや、私じゃなくて…」
女性の肩を掴み焦ったように聞く彼を、彼女は半眼で睨む。
やっと状況を理解したらしい彼は、ホッと安堵の息をついてしのぶの前にしゃがみ込んだ。
ジッと透き通るようなグリーンアイに見詰められ、しのぶは恥ずかしくなった。
…うわぁっ…ホントにイケメン過ぎる!
「…忍。ミネラルウォーター買ってきて。」
「判った!ちょっと待ってて!」
「こら!走るな!」と彼女の後ろ姿に怒鳴るとしのぶへと向き直った。
「…二日酔いだろ?」
「えっ!?…は、はい…恥ずかしながら…」
「あんたみたいな奴等嫌って程見てるから。」
ふっと笑う彼はかっこいいなんて言葉では足りないほどだった。