とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
締め切りに追われ、やっと原稿を仕上げたニックは両腕を挙げて伸びをした。
『バージ、コーヒー入れて~!』
数秒返事を待つがバージの声は聞こえない。
『おーい!バージ~?』
振り返れば落ち着き無くウロウロとリビングを歩き回る彼女が居た。
ニックは“またか”とため息を溢す。
『そんなにソワソワして何を待ってるの?』
頭上から聞こえた声にやっと気が付いたバージは、ハッと我に返る。
『…ソワソワしてましたか?』
『ああ、してたよ…思いっきりね!』
『ごめんなさい!…あの、ニック?』
『ん?なんだい?』
『…マスターは今日お見えになるでしょうか…』
どうやら右京が来るのを待っていたようだ。
『…君はクロウが好きだねぇ~…』
『はい!…あ、ニックも好きですよ?人間にしては優しいですし…』
『………あぁそう……。』
素直に喜べないニックは微妙な笑みを彼女に返した。
締め切りに追われ、やっと原稿を仕上げたニックは両腕を挙げて伸びをした。
『バージ、コーヒー入れて~!』
数秒返事を待つがバージの声は聞こえない。
『おーい!バージ~?』
振り返れば落ち着き無くウロウロとリビングを歩き回る彼女が居た。
ニックは“またか”とため息を溢す。
『そんなにソワソワして何を待ってるの?』
頭上から聞こえた声にやっと気が付いたバージは、ハッと我に返る。
『…ソワソワしてましたか?』
『ああ、してたよ…思いっきりね!』
『ごめんなさい!…あの、ニック?』
『ん?なんだい?』
『…マスターは今日お見えになるでしょうか…』
どうやら右京が来るのを待っていたようだ。
『…君はクロウが好きだねぇ~…』
『はい!…あ、ニックも好きですよ?人間にしては優しいですし…』
『………あぁそう……。』
素直に喜べないニックは微妙な笑みを彼女に返した。