とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
彼女にどう説明するべきか頭を捻る。
そこへ噂の右京が『よぅ!』と姿を現した。
『マスター!お待ちしておりました!』
ガバッと右京に抱き付くバージの頭を彼はポンポンと撫でた。
『バージ…ジャケットが脱げないから離れろ。』
『あ、はい。…あの…ケイ様は、今日どんな様子だったのでしょうか?』
右京はプッと小さく笑って携帯を取り出して彼女に見せる。
待ち受け画像は今日忍から送られて来た膝掛けをかじるケイだった。
『はぁう~~!!愛らしいです~~!!』
携帯を握りしめて悶えるバージを、右京とニックは顔を見合わて笑った。
『それより腹減った!』
『あ、今用意しますね!』
右京に携帯を返すとバージはキッチンへと走って行った。
『クロウ…バージがさ…』
『うん?』
『“子供欲しい”ってよ。』
右京は一瞬キョトンとしてから腹を抱えて笑い出した。