とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




─『…電話が鳴っていますよ?』



そう言われた気がして目が覚めた。



ぼんやりした意識の中、携帯の着信音を聞きながら腕を伸ばしてサイドテーブルを探る。



やっとお目当ての携帯を探り当て、右京は寝惚けたまま通話ボタンを押した。



「右京!?今すぐ迎えに来て!!」



第一声からそう言う忍の声に「ん…今どこ?」と反射的に答えた。



「日本よ!早く来て!」



「あ~…日本か…じゃあ今から……………って無理じゃね?」



やっと噛み合っていない会話に気付いて右京は眉を寄せる。



「だいたい今何時?」



「夕方の6時よ!」



「…それは日本だろ~?俺居るのイギリスだからっ。」



「知ってるわよ、そんなの~!あーん、迎え来てよ~~!」



「泣くな!落ち着け!…一体どうしたんだ?」



むくりと上体を起こすと時計に目を向けた。



…夜中の2時じゃねぇか…。



「もー大変だったんだから~!」



ベッドの縁に腰掛けながら忍の話に「うんうん」耳を傾けた。


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