とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
『俺を誰だと思ってるんだ?日本だろうがシチリアだろうが、ネットワークに接続されてれば何だって動かせるぜ!…で、何を企んでるんだ?』
自信満々に言うロイに右京も口角を上げた。
『実は神が居るらしくてね。何をしようとしてるのかをこっそり覗こうかと思って。』
『ワォ…!楽しそうじゃねぇか!』
そう言うと彼は『見てな!』と得意げに3台とPCを操り出した。
数秒後、モニターに幾つものウィンドウが立ち上がり、日本の繁華街らしき映像が流れる。
『さすが!ただの馬鹿じゃなかったな。』
『天才と呼べ、天才と!』
豪快に笑うロイに右京は苦笑するとモニターにかじりついた。
『あ~…向こうは夜か…』
主要な地域以外、不鮮明な映像に二人はうーんと唸りに似た声を上げた。
いくら右京が暗闇でも目が効くとはいえ、それがモニターの画像だと無意味だ。
『画像処理出来ないか?』
『やって出来ない事はないが…時間がかかるぜ?』
それでは意味がない。
右京はちょっと諦めたように肩を落とした。