とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




モニターにかじりついていた右京とロイは顔を見合わせて笑う。



『いいね…向こうもオンラインって事は、プランBも可能かも…。』



『プランB?』



『今アクセスしているのはランドサットって言う衛星で現在5号機まで存在する。一人で5つをリモートするのは難しいけど二人なら…』



ブツブツと呟きながらロイはチャットのウィンドウを開いた。



“やぁ、力天使。こちらオペレーター。調子はどうだい?”



─“久しぶり、オペレーター。君が妨害するまでは順調だったよ。”



“そりゃ、良かった。本題に入る。1·2号機を270秒でハッキング出来るか?”



─“問題ない。そっちは?”



“3·4号機をハッキング、5号機にダミープログラムを移植する。”



─“ラジャー。検討を祈る。”



終始会話を見ていた右京は彼等が何をしようとしているかが判らなかった。



『なぁ、ダミープログラムって?』



『ああ、1~4機がちゃんと作動していると見せ掛ける為のプログラムだ。それをクラッキングした5号機に移植すればデータ上は5機全てが通常通り作動してるようにしか見えない。』



一瞬でそこまで考えたロイに右京はただただ関心するばかりだった。




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