とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
画面上の日本は街の灯が煌めいていた。
だが、これでは先程と大差ない。
落胆気味に息をついた右京にロイは『まぁ、見てろ』と得意気に笑った。
『この衛星は観測衛星だって言ったろ?モードを切り替えれば…』
『これは…暗視カメラ?』
『まだあるぜ!レーダーに赤外線!…熱関知もだ!』
揚々と衛星を動かす彼に右京は次第に不安になる。
…もしバレたら…
が、ロイはそんな右京の不安を鼻で笑い飛ばした。
『心配ねぇって!相当な何かがなければ見つかる事はないはずだから。』
その自信はいったい何処から来るのか…。
目まぐるしく移り変わるモニターに視線を向け、ロイは独り言のように呟く。
『悪魔だろうが神だろうが、力を使えばそれなりのエネルギー反応がある。肉眼で見れなくても……』
そしてモニターに異常なエネルギー反応を報せる警告が表示された。
『……見えるぜ…丸見えだッ!』
二人は顔を見合わせ、ニヤリッと口角を釣り上げた。