とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



画面上の日本は街の灯が煌めいていた。



だが、これでは先程と大差ない。



落胆気味に息をついた右京にロイは『まぁ、見てろ』と得意気に笑った。



『この衛星は観測衛星だって言ったろ?モードを切り替えれば…』



『これは…暗視カメラ?』



『まだあるぜ!レーダーに赤外線!…熱関知もだ!』



揚々と衛星を動かす彼に右京は次第に不安になる。



…もしバレたら…



が、ロイはそんな右京の不安を鼻で笑い飛ばした。



『心配ねぇって!相当な何かがなければ見つかる事はないはずだから。』



その自信はいったい何処から来るのか…。



目まぐるしく移り変わるモニターに視線を向け、ロイは独り言のように呟く。



『悪魔だろうが神だろうが、力を使えばそれなりのエネルギー反応がある。肉眼で見れなくても……』



そしてモニターに異常なエネルギー反応を報せる警告が表示された。



『……見えるぜ…丸見えだッ!』



二人は顔を見合わせ、ニヤリッと口角を釣り上げた。




< 419 / 469 >

この作品をシェア

pagetop