とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
アルテミスは何が起こったのか理解できなかった。
それはベルセルクの気配を追おうとした時の事だ。
身体を掠めた光線のせい身体の自由を奪われて暫し呆然となる。
丁度左腕を抉られたのだと気付いたのは裕に15秒ほどしてからだった。
『なっ!?…』
一体誰がどこから狙っていたというのか!?
これ程までの力が放たれていれば気付くはずである。
だがその気配はどこにもなかった。
あるとすれば、あのベルセルクの子供ぐらいだろうか。
『バカなッ!そんなはずはない!』
現に今もその気配は穏やかで、自分に敵意を向けている様子はない。
アルテミスは小さく舌打ちをして、ダラリと垂れ下がる左腕に右腕を当てるとすぐさま腕を再生する。
余計な力を消費したせいで彼の姿はもう隠しきれなかった。
それを待っていたかのように再び自分目掛けて光線が放たれ、それを間一髪受け止めた。
『な、なんなのだ!?一体誰の仕業…』
そう呟きかけて彼はハッとした。
…そうか、そういう事か…!
先程あのクドラクが言っていた“巻き添え”とはこの事だったのだ!
…クドラクは何故予期できたのだ!?
アルテミスは必死でクドラクの言葉を思い出す。
あの時彼は潔く引いた…まるで敵わないといった具合に天を仰いで…。
…天…?
クドラクがしていたようにアルテミスも天を仰ぐ。
『天から私を狙ったというのか!?』
神である自分を狙うなどという愚行が誰の仕業なのか、アルテミスには未だ理解出来なかった。
アルテミスは何が起こったのか理解できなかった。
それはベルセルクの気配を追おうとした時の事だ。
身体を掠めた光線のせい身体の自由を奪われて暫し呆然となる。
丁度左腕を抉られたのだと気付いたのは裕に15秒ほどしてからだった。
『なっ!?…』
一体誰がどこから狙っていたというのか!?
これ程までの力が放たれていれば気付くはずである。
だがその気配はどこにもなかった。
あるとすれば、あのベルセルクの子供ぐらいだろうか。
『バカなッ!そんなはずはない!』
現に今もその気配は穏やかで、自分に敵意を向けている様子はない。
アルテミスは小さく舌打ちをして、ダラリと垂れ下がる左腕に右腕を当てるとすぐさま腕を再生する。
余計な力を消費したせいで彼の姿はもう隠しきれなかった。
それを待っていたかのように再び自分目掛けて光線が放たれ、それを間一髪受け止めた。
『な、なんなのだ!?一体誰の仕業…』
そう呟きかけて彼はハッとした。
…そうか、そういう事か…!
先程あのクドラクが言っていた“巻き添え”とはこの事だったのだ!
…クドラクは何故予期できたのだ!?
アルテミスは必死でクドラクの言葉を思い出す。
あの時彼は潔く引いた…まるで敵わないといった具合に天を仰いで…。
…天…?
クドラクがしていたようにアルテミスも天を仰ぐ。
『天から私を狙ったというのか!?』
神である自分を狙うなどという愚行が誰の仕業なのか、アルテミスには未だ理解出来なかった。