とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



右京が忍達を連れてイギリスの家に戻ったのはその2日後だった。



久々の我が家に到着し、玄関のドアに鍵を挿した忍はその手を止めた。



「どうした?」



「鍵が…開いてる?」



恐る恐るその扉を開いた忍はパァンッ!という音に飛び上がる。



『『Welcome home…!!』』



そして歓声とともに降り注ぐ紙吹雪に一瞬唖然と立ち尽くした。



『え…リサと虎太郎君!?』



それは懐かしい友人達のちょっとしたサプライズだった。



右京を見上げればクスクスと笑っており、すぐに知らなかったのは自分だけだと気付く。


ケイを抱いたまま右京は忍に微笑みその背中を押す。



リビングまで来ると再びクラッカーが四方から鳴り響いた。



『おかえり、シノブ!』



『ようこそ、ジュニア!』




友人達に次から次へとお祝いの言葉を貰い、嬉しそうに微笑む忍に右京は満足そうに笑った。




『まさか皆待っててくれたの?!』




『当たり前じゃないか!ベビーが来るっていうのにじっとしてられるかっての!』



『マイクがどうしてもって聞かなかったんだよ。』



『驚いた?』と言う右京に忍は嬉し泣きで潤んだ瞳を向けた。



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