とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~

『しっかし…随分大人数だな…』



普段は広すぎると思っていたリビングも、今は狭く感じて右京は苦笑いする。



マイクに任せた時点である程度は予想してたが、まさか大学時代の友人達まで参加するとは思ってなかった。



感極まる忍の肩を抱き、リサは『なんで泣くのー?』と茶化す。



『さあ、ジュニアはこっちよ!クロウ、ベビーベットに寝かせて頂戴!』



可愛らしい風船で装飾されたベビーベットに寝かされたケイは、珍しそうにキョロキョロとグリーンアイを動かしていた。



ケイを覗き込んで『ママ似だ』とか、『鼻はパパだ』とか騒ぐ一同を眺める右京の肩をポンと虎太郎が叩いた。



『…幸せそうで安心した。』



『あぁ、お陰様で。…ありがとうな。』



フッと微笑む右京の笑顔に虎太郎はぎゅうと抱き付いた。



『あああ!右京の笑顔見れて俺も幸せっ!!』



『う、うぜーな!ひっつくなっ!』



じゃれ合う二人にアランがビールを渡す。



『おかえり…二人とも。』



その言葉に三人はただビールの瓶をコツンとぶつけて笑い合う。



そして騒ぎを眺めて冷たいビールを一気に喉へと流し込んだ。


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