とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
ふと地図上の“シノン城”という文字に目が止まる。
『…確かシャルル7世が居たお城よね…』
あまり詳しくはないが、オルレアン出身のジャンヌダルクはシャルル7世を援けてフランスを勝利をもたらしたとか。
…そういえはソフィアはジャンヌダルクに憧れてたっけ…
ベッドに仰向けになると天井に目を向けながら彼女との会話を思い出す。
女の身でありながら剣士として戦いに参加する勇ましさに、まだ少女だったソフィアは『最高にかっこいい』と言っていた。
ー『ジャンヌダルクはなんでシャルル7世の味方をしたの?』
ー『彼女はね、神さまからそうするように言われたのよ。』
ー『神さま?…イエスさまの事?』
ー『きっとちがうわ。だって神さまは戦争しなさいなんて言うわけないもの!もっと他の神さまよ!例えば…』
シンディはウトウトとしながらそんな他愛のないやり取りをした夢を見た。
…ソフィアはなんて言ったんだっけ…
結局その後の会話を思い出せないまま、深い眠りに落ちていくのだった。