とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
魔法の泉
◇最近何か物足りないような気がする…。
クリスは店の地下にある武器庫で武器の手入れをしながら、ふとそんな事を考えていた。
『…請求書…違うな…。報告書は…いや、書いたし…』
よくわからない喪失感に似た感覚に首を捻る。
『…クリス?』
『っ⁉︎』
突然聞こえた声にクリスは素早く銃を構えた。
が、両手を挙げて苦笑している銀髪に『なんだ、右京か』と銃を下ろす。
『珍しく注意力散漫だな…どうした?』
『…いや、別に…』
『うそつけ。別にって顔じゃないぜ?』
そう指摘され一瞬ジッと右京を睨んでから、観念したように溜息をついた。
『最近何か忘れてるような気がしてな…思い出せなくて嫌な感じがするんだよ。』
『ほう…ハンターの仕事はちゃんとこなしてるみたいだけどな…』
『ああ、仕事に手は抜かない主義だ。じゃなくて、日々の中で何かが足りないような…』
そんな彼の言葉に右京はふーんと気のないような相槌を打つと、『そんな事より…』と武器庫を見回す。
『扱いやすい武器ない?銃以外で。』
『お前の場合、スタンガンなんて必要無さそうだしな…刀かナックル辺りが妥当だろ。』
クリスは棚にある黒い箱を取り出すと、布に包まれたナックルダスターを手渡した。
『例の騎士修道会の要請か?』
『ああ、オルレアンに。…意外と重いな…』
装着して軽く拳を振る彼を見ながら、クリスは騎士修道会からの要請内容を思い出していた。
クリスは店の地下にある武器庫で武器の手入れをしながら、ふとそんな事を考えていた。
『…請求書…違うな…。報告書は…いや、書いたし…』
よくわからない喪失感に似た感覚に首を捻る。
『…クリス?』
『っ⁉︎』
突然聞こえた声にクリスは素早く銃を構えた。
が、両手を挙げて苦笑している銀髪に『なんだ、右京か』と銃を下ろす。
『珍しく注意力散漫だな…どうした?』
『…いや、別に…』
『うそつけ。別にって顔じゃないぜ?』
そう指摘され一瞬ジッと右京を睨んでから、観念したように溜息をついた。
『最近何か忘れてるような気がしてな…思い出せなくて嫌な感じがするんだよ。』
『ほう…ハンターの仕事はちゃんとこなしてるみたいだけどな…』
『ああ、仕事に手は抜かない主義だ。じゃなくて、日々の中で何かが足りないような…』
そんな彼の言葉に右京はふーんと気のないような相槌を打つと、『そんな事より…』と武器庫を見回す。
『扱いやすい武器ない?銃以外で。』
『お前の場合、スタンガンなんて必要無さそうだしな…刀かナックル辺りが妥当だろ。』
クリスは棚にある黒い箱を取り出すと、布に包まれたナックルダスターを手渡した。
『例の騎士修道会の要請か?』
『ああ、オルレアンに。…意外と重いな…』
装着して軽く拳を振る彼を見ながら、クリスは騎士修道会からの要請内容を思い出していた。