とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



…なんで俺は忍にこんな甘いのか…



上機嫌な忍を見て複雑な気持ちになる。



それでも自分に腕を絡めて来る忍に自然と頬が緩む。



「…忍…」



「なに?」と見上げた彼女に不意をついてキスをする。



少し頬を染めた彼女が可愛くて仕方がない。



「…相変わらず仲がよろしいですね…」



そう声を掛けられ、顔を上げると半ば呆れた様な田所が居た。



「あぁ、田所さん。…上手くいきました?」



「えぇ、バッチリです。」



ニコッと微笑む彼を見て右京もクッと口角を上げた。



「さぁ、どうぞ。」




田所に促されて足を踏み入れたパーティー会場は、宿泊客で賑わっていた。



「わぁ…素敵…」



目を輝かせる忍に田所は満面の笑みを浮かべた。


< 52 / 469 >

この作品をシェア

pagetop