とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
…なんで俺は忍にこんな甘いのか…
上機嫌な忍を見て複雑な気持ちになる。
それでも自分に腕を絡めて来る忍に自然と頬が緩む。
「…忍…」
「なに?」と見上げた彼女に不意をついてキスをする。
少し頬を染めた彼女が可愛くて仕方がない。
「…相変わらず仲がよろしいですね…」
そう声を掛けられ、顔を上げると半ば呆れた様な田所が居た。
「あぁ、田所さん。…上手くいきました?」
「えぇ、バッチリです。」
ニコッと微笑む彼を見て右京もクッと口角を上げた。
「さぁ、どうぞ。」
田所に促されて足を踏み入れたパーティー会場は、宿泊客で賑わっていた。
「わぁ…素敵…」
目を輝かせる忍に田所は満面の笑みを浮かべた。