とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
エレベーターが7階に到着し、ゆっくりと扉が開いた。
気持ち悪いくらいの静寂に田所は小さく身震いをする。
前を歩く右京はまったく動じた様子もなく、ポケットに手を突っ込んだままだ。
ふと、何処からともなく空気の流れを感じた。
…風…?
それが自分を包むように吹き、さっきまで感じていた寒気が薄れていく。
右京は710号室の前で足を止め、ドアノブに手を掛けた。
施錠はされておらず、音もなく開いた扉の向こうに足が見えた。
「…しのぶ!?」
ぐったりと横たわる彼女に駆け寄ろうとする田所の肩を右京が掴む。
「は、放してくれ!」
いくらもがいても彼の腕を振りほどけない。
…っ!?なんて馬鹿力なんだっ!
右京は彼をグイッと引っ張ると「よく見ろ」と指を指した。
エレベーターが7階に到着し、ゆっくりと扉が開いた。
気持ち悪いくらいの静寂に田所は小さく身震いをする。
前を歩く右京はまったく動じた様子もなく、ポケットに手を突っ込んだままだ。
ふと、何処からともなく空気の流れを感じた。
…風…?
それが自分を包むように吹き、さっきまで感じていた寒気が薄れていく。
右京は710号室の前で足を止め、ドアノブに手を掛けた。
施錠はされておらず、音もなく開いた扉の向こうに足が見えた。
「…しのぶ!?」
ぐったりと横たわる彼女に駆け寄ろうとする田所の肩を右京が掴む。
「は、放してくれ!」
いくらもがいても彼の腕を振りほどけない。
…っ!?なんて馬鹿力なんだっ!
右京は彼をグイッと引っ張ると「よく見ろ」と指を指した。