とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~

ゲスト




身体を揺すられ目を覚ました。



『アダム…もうすぐ到着だって。』



『ん…』



リムジンの中で伸びをして窓の外に目を向けた。



まだ時差ボケで半分眠っている頭で考える。



…ここ何処だっけ?



ゴミゴミとした街並み…アジア系の人達…。



『あぁ、日本公演だっけ…。』



『…お前は全く緊張感ないのな…』



そう言われても自分は普通の人間ではないから仕方がない。



というより、人間ではないし…。



逆に最近人間として行動しているからすぐに疲れてしまうのが悩みのタネだ。



でも今やこのバンドも知名度が上がり、何処に行っても騒がれるのは悪い気がしない。



アダムはどちらかといえば目立ちたがりだった。



< 61 / 469 >

この作品をシェア

pagetop