とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
隣で携帯をいじっている彼の手元を覗き込む。
『…メール?』
『ん。この前デートしたカワイコちゃん。』
『へぇ~…女もいけるんだ…』
『あのねぇ…別に俺ゲイじゃないから!』
『じゃあ、バイ?』
『違うよ!』
…違うのか…。
まぁ、どっちでもいい。
リムジンがホテルの敷地内に入り、エントランス前に停車した。
マネージャーが先に降りてホテルマンと会話している姿が見えた。
『ここに居るのか…。』
アダムの呟きにテリーが『密会!?』と目を輝かせる。
『密会ではないけど、知り合いが宿泊中らしい。』
テリーは期待外れだとつまらなそうな顔をしていた。