とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




…胸くそ悪い…。



まさか早々に遭遇してしまうとは思いもよらなかった。



右京は彼等の乗り込んだエレベーターを見上げる。



…9…10…11…。



最上階で停止したランプを見てフンッと鼻を鳴らす。



「なるほど…。VIP待遇ってヤツ?」



途中ですれ違った田所を捕まえ耳打ちをした。



「…彼女なら大丈夫そうだよ。」



「ありがとうございます…」



「ところで…アダムは何号室?」



「…あの…黒崎様…“守秘義務”という言葉をご存知ですか?」



「堅いこと言うなよ…アイツとは知り合いなんだ。」



田所はチラッと辺りを見回し、右京に「お調べしときます」と囁くと足早に去って行った。



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