とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
パーティー会場に戻って来た右京に忍は「遅い!」と頬を膨らませた。
「遅いからいっぱい食べちゃったよ…」
「おぅおぅ、食えばいいじゃん。二人分だし。」
「駄目だよ!この前の検診で“体重注意”ってハンコ押されたんだから~!」
「これで!?」と、オーバーにおどける右京に忍はクスクスと笑った。
潤は右京に「ご苦労様です」とシャンパンを手渡す。
「…で、どうなりました?」
「逃げられた。」
「あぁ…さすが右京様ですね…」
潤の嫌味に「まぁね…」とため息を付いた。
「狙いは忍様ですか?」
「…何故そう思う?」
「女は執念深いですから…」
アスタロトは誰の指示も受けてないと言っていたが、それを鵜呑みにするのは危険な気がした。