とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
右京の様子がどこか不自然に思えて忍は「どうしたの?」と首を傾げた。
「ケーキ…食べたく無かった?」
「ケーキより忍が食べたい。」
「またそんな事言って…」
エレベーターの“閉”と書かれたボタンを押すと、密室で彼女を壁に追いやって頬を撫でる。
啄むようなキスを繰り返し、「ダメ?」と聞いた。
「ふふふ…ダメ…」
途中背後で扉が開く気配がしたが、構わず彼女を口説く。
絡み合う右京達に「ごめんなさい」と言う声が聞こえて再び扉が閉まる。
「ちょっとだけ…」
「ぷっ…ちょっとって何よ。」
「ちょっとだけだよ…触れて入れるだけ。」
「それ、ちょっとじゃないじゃない!」
7階に着くまで忍に触れるだけのキスを繰り返す。