とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
最近少し身体が重く、疲れやすくなった気がする。
チェックインをした後、ホテルを散策していた忍が「ふぅ…」と息を着くと、隣の右京が「少し休もう」と中庭のベンチに彼女を座らせた。
夕焼けに染まる京の都に忍が「キレイ…」と呟いた。
その景色はずっと変わらずそこにあって、昔の人達もこうやって見ていたのだろうか。
中学時代に来た修学旅行の思い出の中に、一つだけ忘れたくても忘れられないものがあった。
忍はそれを誰にも話した事が無かった。
「…あのね、右京…」
「ん~?」
「私…中学の時からずっと右京が好きだった。…でもイトコだし、気持ちを隠してた。」
右京は忍の話を黙って聞きながら彼女を軽く抱き寄せる。
「…一度だけ…右京を諦める為にって男の子と付き合った事があるの。」
それはほんの数週間だったが、今でもその時の記憶がモヤモヤとして頭の隅から離れなかった。
最近少し身体が重く、疲れやすくなった気がする。
チェックインをした後、ホテルを散策していた忍が「ふぅ…」と息を着くと、隣の右京が「少し休もう」と中庭のベンチに彼女を座らせた。
夕焼けに染まる京の都に忍が「キレイ…」と呟いた。
その景色はずっと変わらずそこにあって、昔の人達もこうやって見ていたのだろうか。
中学時代に来た修学旅行の思い出の中に、一つだけ忘れたくても忘れられないものがあった。
忍はそれを誰にも話した事が無かった。
「…あのね、右京…」
「ん~?」
「私…中学の時からずっと右京が好きだった。…でもイトコだし、気持ちを隠してた。」
右京は忍の話を黙って聞きながら彼女を軽く抱き寄せる。
「…一度だけ…右京を諦める為にって男の子と付き合った事があるの。」
それはほんの数週間だったが、今でもその時の記憶がモヤモヤとして頭の隅から離れなかった。