とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
と、扉がバァンと開いて思いっきり右京の顔面にヒットする。
『アダム!廊下に警備員が…って…あれ?…君…』
床に踞る右京を指差し、テリーはあんぐりと口を開けた。
『くそっ…!いってぇんだ…よ!!』
右京はテリーのアホ面に頭突きを食らわすと、バタリと倒れた彼を跨いで出ていった。
『あはは…!ホント、面白いヤツ!』
アダムは笑いすぎて涙目になりながらテリーの頬をペチペチと叩く。
『おい、テリー!そんな所で寝たら風邪ひくぞ?』
う~んと唸る彼を起こすと『こっち向け』と顔を覗き込んだ。
『…今、俺…』
アダムの瞳が紫色に光る…。
次の瞬間意識を手放したテリーをソファに寝かせて『ツイてないヤツ…』と呟くのだった。