とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
明け方、鈍い腹部の痛みに身体を起こした。
「…いっ…!?…なんで…」
隣に居るはずの夫がそこには居ず、酷く不安になる。
そして、最悪の事態を想像して「嫌だ…」と繰り返し呟いていた。
─“呪え…お前が身籠っているのは悪魔の子だ…!”
…違う…!
─“この世を破滅させるかもしれないぞ…?それでも産もうというのか?”
…この子は…ただの人間よ!
─“産まれて来た事を恨むやも知れんぞ…?”
…それは……それは…
「…痛い…っ!…右京…助けて…!」
─“呪え…呪え…呪え…!”
頭の中の声に抵抗しようとすると、激痛に襲われる。
…嫌…嫌だ…!
「…忍っ!!…」
耳元で聞こえた右京の声にハッと目を開けた。
明け方、鈍い腹部の痛みに身体を起こした。
「…いっ…!?…なんで…」
隣に居るはずの夫がそこには居ず、酷く不安になる。
そして、最悪の事態を想像して「嫌だ…」と繰り返し呟いていた。
─“呪え…お前が身籠っているのは悪魔の子だ…!”
…違う…!
─“この世を破滅させるかもしれないぞ…?それでも産もうというのか?”
…この子は…ただの人間よ!
─“産まれて来た事を恨むやも知れんぞ…?”
…それは……それは…
「…痛い…っ!…右京…助けて…!」
─“呪え…呪え…呪え…!”
頭の中の声に抵抗しようとすると、激痛に襲われる。
…嫌…嫌だ…!
「…忍っ!!…」
耳元で聞こえた右京の声にハッと目を開けた。