とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
沖田しのぶは緊張でさっきから息苦しさを感じていた。
…なんで私が…!
チラッと隣を見ると彼はまるで翡翠のような瞳でエレベーターの扉上部を見つめていた。
不意にそのグリーンアイが自分に向けられ、思わず視線を反らす。
…誠のヤツ…絶対許さないんだから!
「…悪いね…残業だったんじゃない?」
内心を見透かしたように彼は申し訳なさそうな声でそう言った。
「いえ、大丈夫です!」
そして、NOと言えない性格の自分に嫌悪すら覚える。
彼はしのぶに「無理しなくていいよ」と苦笑した。
「沖田さん。」
「は、はい!?」
右京に名前を呼ばれたのは初めてだった。
自分の名前を覚えててくれただけで緊張は最高潮だった。
沖田しのぶは緊張でさっきから息苦しさを感じていた。
…なんで私が…!
チラッと隣を見ると彼はまるで翡翠のような瞳でエレベーターの扉上部を見つめていた。
不意にそのグリーンアイが自分に向けられ、思わず視線を反らす。
…誠のヤツ…絶対許さないんだから!
「…悪いね…残業だったんじゃない?」
内心を見透かしたように彼は申し訳なさそうな声でそう言った。
「いえ、大丈夫です!」
そして、NOと言えない性格の自分に嫌悪すら覚える。
彼はしのぶに「無理しなくていいよ」と苦笑した。
「沖田さん。」
「は、はい!?」
右京に名前を呼ばれたのは初めてだった。
自分の名前を覚えててくれただけで緊張は最高潮だった。